山岳遭難情報!


大峰山系の展望

  雄大な自然に恵まれた奈良県は、八経ヶ岳・・・等登山者には魅力溢れる山々が連なり、県内外から多くの登山者が年々増加しています。ところが、山岳遭難により尊い命が失われたり、怪我をされる方が少なくありません。
  最近の遭難事故原因は、滑落、道迷い、過労等によるものが目立っています。皆さんも、登山される際には充分ご注意ください。

山岳遭難事故32件44名発生 
      
(平成23年中)

死者6名・行方不明者0名





◆平成23年中の山岳遭難の特徴◆


  死者及び行方不明者は、昨年(25件29名発生、死者8名・行方不明者1名)に比べると、死者及
び行方不明者は減少しているものの、発生件数に関しては過去5年間で最多となりました。
  その特徴として、遭難者数44名中24名(うち死者4名)を60歳以上の登山者が占め、依然として
中高年層登山者による遭難事故が多く発生しました。
  また、大峰山系での遭難事故が、全体の約7割を占めています。
  これは、県内の山岳は標高がさほど高くなく、「登山経験が浅くても大丈夫」、「単独で登山しても大
丈夫」等といった誤解が生じているものと思われます。
  また、単独での登山による遭難事故が約4割を占めています。
※ 必ず「複数での登山」「登山届の提出」「十分な装備(GPS機能付きの携帯電話と予備電池、
  LED式懐中電灯、山岳地図・コンパスなど)」を携行して、安全な登山に心掛けてください。




◆注意事項
自分の経験、
技術、体力に
応じた登山を
遭難者の半数は、経験や技術、体力等の不足が原因となっており転倒転落事故のほとんどが登山道で発生しています。
無理のない日程で行動をしよう。また、装備品・非常食などは十分に携行しましょう。
トレーニングで
万全の体調を
登山前にトレーニングを充分に行い、体調を整える他、健康診断を受けてから登山するように心掛けよう。
単独登山は
危険を伴う
一人は気軽で良いこともありますが、過労や骨折でも助けが呼べず、死に至るケースがあります。
豊富な経験、統率力のあるリーダーの指揮のもとに行動をしよう。
気象判断は
確実
気象状況を絶えず把握し、気象の変化に応じた行動をとることが必要です。特に、濡れた岩場、積雪によるスリップ事故に注意しよう。
登山計画書は
必ず提出
万が一の捜索や救助活動に備え、登山計画書はなるべく早いうちに提出して下さい。





◆山岳遭難体験者から寄せられた手記◆

(山中で道に迷い、8日目に発見救助された男性からのものです。)
  この度は、奈良県警の方には大変お世話になり、本当に申し訳なく思っています。
  今は、生きている実感をひしひしと感じているとともに、遭難当時のこともそうですが、救助された時の喜びが忘れられません。 県警のヘリコプターが来てくれた時は、「本当に神様が来たのか」と思うくらいに嬉しかったです。
  遭難当時は、不思議なことに、空腹感も喉の渇きもさほど感じませんでした。
  それより、日が落ちてからの寒さをいかに凌ぐかをいつも考えていました。
  助けて頂くまで、毎日「朝、目が覚めないのではないか。」「このまま死んでいくのか。」との絶望感に襲われていたのです。
  2日間は山中を彷徨いましたが、昔、 友人から「山で遭難すれば、沢に行け。沢には水があるから一週間は生き延びられる。」 と教えられたことを思い出したので、3日目からは沢で一夜を過ごし、昼間は沢を下る日々でした。
 それに、山中では「もし、ヘリコプターが来てくれても見つけることはできない。」とも思いましたので、発見される前の3日間は、視界が開けた沢の大きな岩の陰に落ち葉を敷き詰め、 寒さを凌いでいました。 
 そして、私が遭難して8日目のお昼前、遠くからヘリコプターのエンジン音が聞こえてきたのです。
 私は「もしかして、自分を助けに来てくれたのでは」と思い、倒れそうになるのも忘れ、近づいてくれることを祈りました。
 すると、次第にエンジン音が大きく聞こえ、ついに大きな機体が私の上空に現れたのです。
 私は、持てる全ての力を使い、ヘリコプターに向かって両手を大きく振り「助けてくれ!」と大声を出しました。
 ヘリコプターから「こちらは奈良県警です。○○さん(遭難者の名前)ですか?」と尋ねてこられ私は、「ついに助かる時が来たんだ。」と感激で胸がいっぱいになりました。
 その後、県警ヘリと連絡をとっていた吉野警察署の方と地元山岳救助隊の方々が来て、おにぎりや飲み物等を差し出してくれましたが、絶食状態が続いていたことから食べるに食べられない状況でしたので、食べずに申し訳なかったです。
 しばらくして、和歌山から来た防災ヘリに病院へ運んで頂いたのですが、その間、 私は「生きているんだ。本当に生きているんだ。」と思わず涙が頬を伝い、生きている実感を得たのです。 遭難中は「死への恐怖」がつきまとい、あと1日山にいたら、おそらく死んでいたことは間違いないと思います。
 私は滝が好きで、全国各地の滝を見に行きましたが、今回のことで、暫くは山に行くことを控えたいと思います。
 また、単独で山に入ることは絶対にしません。
 一度は死んだ身です。
 一人だけでは生きていけないことも、今回のことでよく解りました。
 誰よりも命を大切にして、今後、生活をしていきたいと考えています。




登山者の皆さんへ
遭難事故は絶対に起こさないという信念を持って
登山をしましょう。             
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