密着!音楽隊 ー県民ふれあいコンサート後編ー
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会場に集う人々

いよいよ本番当日。
開場2時間前から数人の観客の方が会場に入れるか、会場設営をしていた職員に声をかけてこられました。
その後も続々と当選はがきを持った方々が受付前に集まって来られたので、前倒しで受付を開始します。
受付前のスペースに、県警アプリ「ナポリス」を広める広報ブースを準備していましたが、大学生ボランティア「あっぷりけ戦隊!奈良まもりたい」が協力してくれ、急遽設営と開始を早めました。
ナポリスをインストールしてくださった方はガチャガチャを回せるというもので、ブースには子供連れの方を中心に多くの方が立ち寄ってくださいました。
※「あっぷりけ戦隊!奈良まもりたい」について、詳しくはこちら

遡ること4時間前
音楽隊が、拠点となる宇陀警察庁舎から会場に到着し、順次楽器や衣装等を運び込みます。
会場準備がある程度整ったところで、隊員たちはそれぞれ自主練習をはじめました。
ステージ上で、控室で、客席で。
緊張している者も、そうでない者も。
刻々と本番が近づく中で、最高の舞台になるよう、それぞれが静かに心を、体を温めていきます。



引き継がれたバトン

軽音出身隊員の楽長就任
そんな開演前も駆けずり回り、一際汗だくになっている隊員がいました。
この演奏会の3か月前に、前楽長の退職に伴い就任した6代目、戸尾新楽長です。
前楽長は年長者であり、警察音楽隊以外でも昔から楽団に所属していた経歴から、隊を率いるにも説得力がありました。
新楽長は軽音楽出身であり、吹奏楽経験者が多い音楽隊の中ではやや異質でした。
年齢、経験等、30人近い隊を率いるにはふさわしくないと、打診がある度に固辞していましたが、余りある「人を喜ばせたい」という彼の意欲、個性を知っている隊員らが後押しし、この度楽長として就任したのです。

一音一音を懸命に

楽長就任から3か月、気づけば本番前。
舞台裏で隊員が円陣を組み、楽長が一歩前に出ます。
目の前の一音一音、大事にしましょう
もし演奏中に何かあれば私がカバーします
楽長の言葉が、緊張する隊員達を温かく包みます。
今日をともに迎えられた仲間と
「ッシャー!」
一斉に声を上げ、隊員が舞台上に移動します。
あふれる入場者の受付のため、10分遅れで開演を告げるアナウンスが流れます。
いよいよ25年振りの大舞台が幕を開けました。

いざ開演

第一部


第一部の最後は「交響組曲パイレーツ・オブ・カリビアン」
曲の雰囲気に合わせた衣装、振り付けを披露するカラーガード隊。
大きな拍手で第一部が終了しました。

第二部
幕間には県警職員が出演した交通事故防止のためのラジオ番組が会場に流れました。
飲酒運転による事故を起こさないよう、当事者の言葉などを通して観客の方に交通安全の重要性を伝えました。※交通安全ラジオ番組の音源はこちら
そして第二部開演と共に、奈良県警察マスコットキャラクターのナポくんが舞台上に登場し、にこやかな雰囲気で会場を包みました。
しかし、ただの癒し要員ではないナポくん。スティックを示すやスポットライトに照らされドラムのソロ演奏を披露しました。


引き続きナポくんは、衣装を新たに登場した音楽隊とともに「We Are Confidence Man」を演奏します。

あなたは見破れるか?来場者800人へのトリック

曲の合間に、観客の方への防犯講習を行う「郡山警察署副署長」と制服を着た若い警察官が登場。
被害が爆発的に増えている特殊詐欺を防ぐため、その大半のきっかけとなる外国からの電話を止める「国際電話利用休止」について説明をし、
電話に出て相手の土俵に乗ってしまえば、話に載せられてしまう可能性がある
そんなヒヤリ体験をしてもらうクイズが、観客の方に投げかけられました。
副署長の話に含まれている大きなうそを見破れますか?正解者には商品プレゼント!
挙手で答えていただく中には、「正解してもプレゼントはもらえない。」との声もあり、不正解を告げる音楽隊の演奏とともに、会場が笑顔に包まれました。
不正解でも賞品は特別にプレゼントされました。
ここで会場から「郡山警察署副署長じゃない」と正解が飛び出しました。
実は講演者の役職は嘘、一緒に登場した若い警察官も警察官ではなく、実は大学生ボランティアだったのです。
制服や役職など権威性を示されればだまされやすい心理に陥る、それを体感していただけたからか、当日、多くの方に会場内で国際電話利用休止申請をしていただきました。

さらに盛り上がる演奏
防犯について体感していただいた後は、太鼓の力強い音が共鳴する「ソーラン・ファンク」、少年合唱団Liberaの繊細なハーモニーが吹奏楽で再現された「生命の奇跡」、そしてみんな大好き「となりのトトロコレクション」と終盤に向かっていきます。


名残惜しさも漂う中、最終曲として銀河鉄道999を含めた「ジャパニーズ・グラフィティⅫ」の重厚な演奏が披露されました。
盛り上がりも最高潮に達し、自然とアンコールの手拍子が打たれ、「マツケンサンバ2」が明るく響きます。
そして、カラーガード隊に加え、音楽隊もナポくんも、客席まで巻き込んだ「ジャンボリミッキー」で会場全体が一体となって、終演を迎えました。


宴の後

来てよかったよ
ありがとう
そんな言葉が口々に聞かれました。
お見送りに出ていた汗びっしょりの音楽隊の顔には、安堵と満足感の笑みが広がります。
「詐欺について知れてよかった」とアンケートに書いてくださった方がたくさんいらっしゃいました。
演奏会のアンケートとともに、「国際電話利用休止申請書」を提出してくださった方が多くいらっしゃいました。
「こんなことしかできないけど」と言いながら、笑顔で被害者支援募金箱に募金をしてくださる方もいらっしゃいました。
音楽がつないでくれたご縁が、交通安全や特殊詐欺について考えるきっかけとなれば…。
気を付けよう、そんな少しの心がけの積み重ねが、未来のあなたを守るのです。
警察音楽隊は、警察と県民の皆さんとの架け橋になるとともに、皆さんが安全で安心して暮らしていただく未来への架け橋にもなりたいと考えています。

演奏を聞いて笑顔になれた
演技を見て心が動いた
と思っていただけたなら、警察音楽隊の願いも合わせて心に留めていただければ幸いです。
ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。
今回はご参加いただけなかったみなさんも、また県内のどこかでお会いできる日を楽しみにしています。
お問い合わせ
奈良県警察本部警務部広報相談課情報発信係
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